隠れたIoTを発見しました

こんにちは!昨日に引き続き山下です。

昨日の記事、『IoTデバイス間ネットワークの設計について研究しています』で、IoT機器を特徴付ける共通項を以下のように仮定しました。

・0個以上のセンサー
・0個以上の送信機
・0行以上のコード
・0個以上の駆動部
・0byte以上のデバイス固有値

さらにこの記事では、信号の受信とセンシングを統一的に扱う手法を導入しました。

この記事の公開後、懸命な読者様から、「それでは石ころでもIoTになるじゃないか」と指摘を頂きました。まさにそこがキモで、だからこそモノのインターネットなんです。

現在IoTでモノとして使っている機械の例として、ビーコン、各種センサ、コントローラ、スマートフォン、arduino、raspberry piなどがありますが、通信に使っている周波数帯もプロトコルもバラバラだし、送信しかしないとか受信しかしないものもたくさんあります。これら全てに共通する特徴って、「電子機器である」ってことぐらいしかないのではないでしょうか? そして、「電子機器である」という特徴を制約とする必要は全くありません。

こうして見方を変えると、今までIoTのモノであるとは考えられていなかったモノも、IoTのモノとして利用できるようになります。

・ラジオは、中波、短波、超短波などの電波を受信し、モジュレーションを解いて音声を送信します。
・プロジェクターは、指向性の高いビーム(可視光線)のマトリクスを送信します。
・壁の隙間は、風を受信して、音を送信します。
・鏡は、光のマトリクスを受信して、それぞれの光線について反射ベクトルに送信します。

信号の受信とセンシングに区別がない以上、BLEやWiFiと、可視光線や音波は同列に扱えるわけです。

真の真空ですら、IoT機器たる要件を満たしますし、そうであってはいけない理由はありません。

現在IoTで語られる電子機器は、モノのネットワーク(Inter-net of Things)をプログラマティックに構築するのに便利な特性をそなえたモノを人工的にエンジニアリングしたものであって、通常のモノとの境界はないと考えます。

こうして考えると、色々新しいことを思いつけます。

プロジェクターで、自律機械のグリッドをコントロールする。
プロジェクターで、自律機械のグリッドをコントロールする。

例えば上図は、昨日の夜に私が考えついたアイディアです。プロジェクターは従来情報を可視光にDA変換する現実とデジタルのインターフェースとして捉えられますが、モノに光の周波数を感知できるセンサが付いていれば、可視光を信号として使うことを阻むものはありません。プロジェクターは、指向性の高いビームのアレイを一挙に照射するという、恐ろしく便利なIoT機器だったんです。

とりあえず今日はこんな感じで。PILOT神山ラボでは、引き続きIoTの研究を続けていきます。

LISPing at the end of time.