磁界共振結合式の無線電力伝送を弱電で実験

こんにちは!神山IoTハウスの山下です。

IoTハウスでこれから増えていくであろう電子機器への給電の問題を解決するために、無線電力伝送(非接触給電)の実験をしています。

無線給電については去年何度か実験していて、新聞にもチラッと載ってしまったんですが、この時してたのははAM帯のエネルギーハーベスティングの実験でした。ビーコンを間欠動作させるくらいならいけるかなと思ってやってたのですが、結局テスタの針を振らせる以上のことはできませんでした。

今回は、給電エリアを家の中に限定して、送電側も作ります。
それから、家の中ってことで、放射界(電波)は使わず、高性能のコアレストランスを作って、電磁誘導で送電する、磁界結合方式にします。CQ出版のグリーンエレクトロニクスNo.6とNo.17を読んで勉強しました。

MIT Experiment以来流行っているらしい磁界共鳴はロマンがあってワクワクするのですが、音叉を引き合いに出す説明よりも、これをDebunkするこちらの記事の方が説得力があると感じました。 →ワイヤレス電力伝送の原理説明 | ニコラテスラって素晴らしい というわけで共振器は2次側だけにします。

さっそく実験といきたかったんですが、今まで強電を扱ったことがなくて、持っているのは弱電部品ばかり。ひとまず弱電でどこまでいけるか試してみます。とりあえず今回は電源電圧9V。

LTSpiceで設計
LTSpiceで設計

とるものもとりあえずLTSpiceを取り出します。原理回路ほぼそのままにうまいこと動くように調整しました。

555を50%デューティで発振させて、LPFを一段通し、エミッタフォロワでコイルに電流を注ぎ込むという回路です。555が0−9Vでめいっぱい発振してくれるので電圧増幅は必要なし。トランスの巻線比も1:1です。

シミュレーションでは、トランスのKが.4とか.3まで落ちてもLEDの点灯くらいなら問題なくできそうです。実験に移ります。

給電回路。ジャンパケーブルの先に1次側コイルを繋ぐ。
給電回路。ジャンパコードの先に1次側コイルを繋ぐ。

給電回路は設計そのままです。ただ周波数は555の限界の240kHzくらいまで上げて、LPFもそれに合わせました。それとトランジスタが焼けないように小さいReとフライホイールダイオードを入れました。

コイルの残骸
コイルの残骸

一つ重大な問題があって、インダクタンスが測れないんですよ。LCRメータを持ってなくて。来月買います。そんなわけで、いろんなコイルを試しました。コアを抜いた市販のトランスを使うと簡単に点灯するのに、自作の適当なコイルでは全然ダメ、Kが低すぎるんでしょう。

それならば、ということでグリーンエレクトロニクスで散々言われているようにQを稼いでみます。周波数は上がらないのでインダクタンスを上げます。

⌀300mmの丸太に11回巻きました。
⌀300mmの丸太に11回ずつ巻きました。

近くで拾ってきた丸太に巻きました。コイル間のギャップは高望みせず10mm。

GRDSは便利!wineでも完璧に動きます。
GRDSは便利!wineでも完璧に動きます。

GRDSによると、このコイルのインダクタンスは約96μHで、ということはだいたい4500pFで240kHzに共振するはずです。細かい調整はバリコンを使います。Qは240kHzのとき103。

光った!
光った!

バリコンを回していくと、赤色LEDが全開の明るさで光りました!実験成功です。実はこの写真、共振回路の計算をする前に撮ったもので、高調波のノイズと共振しています。ビッタシ共振させれば、LED以上のものでも駆動できそうです。コイル間のギャップは固定してしまったのでどれだけ離すことができるかは検証できていません。

全体像
全体像

というわけで、Vcc 9Vでの、非接触給電実験は成功です!明日から徐々に高耐圧部品を揃えて、距離と電力を上げて行こうと思います。

注) 僕の電子工作は全て独学で、アバウトにやっています。この記事の内容を実践して怪我等をしないように気をつけて下さい。

勝手にアーティストを名乗って本気で遊んでいます。プログラミングと電気は任せて。