デジタル襖カラクリ製作中

僕らが生まれるずっと前、テレビが普及するより前、地方の農村の神社には野舞台っていうのがあって、農閑期の遊びで村人が歌舞伎とか文楽とか人形浄瑠璃をやっていた。

徳島県の山の方では特に、人形浄瑠璃が盛んだった。人形浄瑠璃の舞台背景には、襖に書いた絵が使われていて、襖絵という。徳島では襖絵がカラクリ要素を獲得して独自の進化を遂げていた。

神山町にもそんなカラクリに使われていた襖が1500枚くらい残っていて、発見され次第、資料館に持ち込まれて保管されているが、年々劣化が進んでいる。

そんな襖を救おうと立ち上がった男小松崎剛(たけちゃん)は、資料館に保存されている襖全てを高解像度の写真に撮って、町内の文化財をアーカイブをするという神山町文化財再生プロジェクトを町と町内の面白メンバーで取り組みを始めた。

撮影の様子

たけちゃんとは前にカラオケ鳥居と、七夕祭りの照明で共謀していて、今回も声をかけてもらった。写真で保存できるのはスタティックな襖絵だけで、ダイナミックなカラクリも保存するために、そして襖カラクリの面白さをみんなに知ってもらうために、3DCGでデジタル襖カラクリを作る。


おとといには、一度本物を見とかにゃならんと思って、小野さくら野舞台保存会の会長、小川さんにお願いして、仕掛けを見て、触らせてもらった。
保存会は毎年四月にこれを使って本物の襖カラクリを上演している。

小野さくら野舞台の襖は、明治後期に、なにわの絵師が来て描いた物だそう。神山町内では江戸時代に制作された襖絵も現存する。

神山アーティストインレジデンス(KAIR)は、関係者の大変な努力のおかげで来年20周年を迎える。絵師を呼んで描いてもらったこの襖絵たちが、神山のアーティストインレジデンスの原型なのかもしれない(たけちゃん談)。

まだ走り始めたばかり。たまに報告します。

追記(2018/02/23):

いろんな人が関わって、いまこんな風になっています。

LISPing at the end of time.